森友学園問題をきっかけに毎日ニュースや情報番組で名前があがるようになってしまった、安倍総理夫人・安倍昭恵さん。
報道や国会中継を見ているとなんだか論点がずれているというか、何だかよく分からなくなってきたような気もします。
そんな中、安倍昭恵夫人がいくつもの団体で名誉会長や名誉顧問などを引き受けていると聞き、「その立ち位置って何をする人なのか?」「報酬は発生するのか」疑問が生まれました。
安倍昭恵夫人は30団体に肩書きあり!?
問題となった森友学園小学校で名誉校長を引き受けていた安倍昭恵夫人は、他の団体でも様々な肩書きを請け負っていらっしゃることが、テレビの情報番組で報道されました。
団体の分野は様々で、農業・女性・教育・環境・社会福祉・東北復興などが挙げられていました。
メディアのインタビューを受けた『一般社団法人 鈴蘭会』(教育支援・名誉会長を受諾)の方は
『「(広告塔の存在だけでなく)何かお手伝いしたい。わたくしにも何か出来ることがあれば、おっしゃってください。」とおっしゃってくださいました。』
とコメントされていました。
この類のこと、たしか森友学園の籠池泰典理事長も言ってませんでしたっけ?
騒動が起きて、森友学園小学校の名誉校長を辞任されたことにより、削除された学校案内に掲載された挨拶文には、森友学園を後押しするとも取れる言葉が寄せられています。
籠池先生の教育に対する熱き思いに感銘を受け、このたび名誉校長に就任させていただきました。
瑞穂の國記念小學院は、優れた道徳教育を基として、日本人としての誇りを持つ、芯の通った子どもを育てます。
そこで備わった『やる気』や『達成感』、『プライド』や『勇気』が、子ども達の未来で大きく花開き、其々が日本のリーダーとして国際社会で活躍してくれることを期待しております。
こういう文章って自分自身で考えるものじゃないのでしょうか?
万が一誰かに作成してもらったとしても、言葉を外部に向けて発信する以上、内容に目を通しますよね?
どう考えても関わりがない訳ではないのに「まったく接点なんて無い!(全て秘書の仕業!)」くらいの勢いで否定するから詰められるんだと思うのですが。。
主として名誉職を承諾しているのは農業?自らで作ったお米『昭恵米』の存在も浮上
昭恵夫人はご自身で無農薬でお米を作られているくらい、農業に関心をお持ちです。
そのお米は「昭恵米」というのだそうです。
食(農業)について色々考えていらっしゃることがあるようで、食材を厳選した居酒屋や旅館を経営なさったりと、精力的に行動される方であることが分かりました。
関わっている団体側からは「地元でもないのに、熱心に取り組んでもらっている。」と感謝されているようです。
基本的には素敵な人なんだろうなぁと思いました(ちょっと軽率というか、真面目すぎたというか)。
「広告塔的な役割?」そもそも名誉職とは何か?
今回いろんな団体において、いろんな肩書きを持っていることが分かった訳ですが、どういう立場になり、どういう役割を果たしているのか?
基本的に『名誉職』とは
名誉職(めいよしょく)とは、特定の法人その他の組織・団体において実質的な権限・責任の伴わない名義上の職のことをいう。
名誉ある職ではなく、名義上の職であるというのが本質的な意味である。
基本的には会社の運営・経営に対して長年にわたり大きな功績を残し、第一線を退いたベテランの経営者や功労者が就くために設定される役職である。給与等の報酬が伴う場合と、そうでない場合があり、はじめから名誉職として設置されている職責もあれば、企業の意思決定の実権を失って事実上は名誉だけで職責のないものと位置づけられている場合もある。
また、高い知名度・カリスマ性・影響力を持っている人物や国際的に権威のある賞を受賞した人物が第一線から退く場合などには、単純に功績を称えてのポストというだけではなく、引退後に万一にも経済的困窮の状態に陥られると会社のイメージに関わる、あるいは他社で競合する事業を立ち上げられると困るために権利確保をしておくなどといった事情から、一種の捨扶持を与えるために名誉職を用意することもある。
公職では刑務所の慰問に尽力したとして杉良太郎が特別矯正監に任命されるなど、功績を讃えるために創設されることがある。
他にも警察が著名人を一日署長を任命するなど、イベント時のポストが臨時で設置される。これらは本来の意義通り『名義上の職』であり、実務上の権限は無い。企業では名誉顧問、名誉会長などが名誉職に相当する。
また、単なる会長・顧問であってもその人物のために新設される場合には実質では名誉職であることが見られる。
人事などで企業経営に対する影響力を持ったり、報酬が支払われている場合もあることから、時代にそぐわないとして廃止される場合も多い。鉄道会社ではイベントとして一日駅長が任命されることがある。
当てはまる部分が多く、うなづけますね。
簡単に言うと「名前だけの人」?
やはり「ウチはこんな凄い人が会社と関わってくれていますよ」ということを会社(または団体・組織)内外知らしめる広告塔的な役割が主ということになりますね。
安倍昭恵夫人が「総理夫人」として活動する場合の報酬はいくら?
先日、国会でも「夫人は公人か私人か」という討論がなされていましたね。
報酬を受け取ったことで「公人」と認知されるのであれば、森友問題がさらに厄介になることが予想されるので、総理の答弁にはちょっと違和感がありましたよね。
実際、役員等を務めたり、講演料をすること等でお金は発生するのか?を調べてみました。
先日の国会でのやり取りはこんな感じでした。
【3/27質疑:森友学園での講演で講演料は受け取ったのか】
民進党議員:
「わざわざ、はるばる東京から、お客さんがいらっしゃったわけですね。普通に考えたら何らかの車代とか何かね。そういったものをね、やっぱり払うのが普通ですよね」
(たしかに普通かも?)
安倍総理否定:
「報酬も講演料も全く受け取っていないと聞いている」
「私の妻もですね、いろんなところ行ってますが、もらわないほうが圧倒的に多いです。多いんですよ。それで生活をしてるわけではないですから」「(昭恵夫人と籠池氏の妻が)どっちもどっちという言う方ですね。それ、それはね、やっぱりいくら何でもですね、私の妻もね、おとしめようという気持ちがあるんでしょうけども、やっぱり、度が過ぎますよ」
(もらったの?もらってないの?むしろあげたの?)
よく分からないですね。
実質公人の方がお金を受け取ってはならない、という話ではないですよね(贈収賄除く)。
少し話は変わりますが、元大阪府知事で元大阪市長・維新の橋下徹さんは、講演料が高いことで有名なんだそうです。
橋下氏の話題といえば講演料の高さでしょう。
維新の会所属の国会議員が政治資金パーティに講師として橋下氏を呼んだ場合、「一律200万円」の講演料を請求されるそうです。
もちろん、維新の会以外の団体からの依頼でも、同じ金額です。
一律の金額を定め、「特定の政党に肩入れしていない」という態度を見せているのでしょう。
話題沸騰中の小池百合子東京都知事の政経塾「希望の塾」での講演にも、橋下氏は200万円を請求して話題になりました。
それを「高い」と感じた運営側の都議が維新の会の渡辺喜美参議院議員に仲介をお願いし、それを不快に感じた橋下氏が講演を断ったことが報道されました。
これを踏まえて、安倍昭恵夫人の講演料への対応を見てみました。
森友学園を巡る疑惑について、安倍晋三首相は「夫人は過去、森友学園での講演で金銭は受け取っていない」と答えていましたが、はたして他の講演活動も全て金銭の授受はないのでしょうか。
「そう言われればそうか!」という話なのですが、
安倍昭恵夫人が講演される時って、どこの名誉職とかよりももっと大きな肩書きありましたね。
【総理大臣夫人】
なので、「総理夫人として本当に報酬を受け取ったこと」があるのかを調べてみました。
多くの講演会主催者が「講演料は支払っていません」「無料で協力していただきました」と答えており、報酬を受け取らないケースがほとんどなのは確からしい。
だが、例外もあった。
● トランプ大統領に会うための訪米を間近に控えた今年2月5日、昭恵夫人は兵庫県多可町を訪れ、町主催の「日本酒フェスタ」で〈「私」を生きる〉をテーマに〈内閣総理大臣令夫人安倍昭恵氏講演会〉を行なった。
多可町の地域振興課に聞くと「町の規定に従い、昭恵さんの場合は講演料は5万円を、現金でご本人にお渡ししています。
旅費も規定に沿って、3万540円を、こちらは安倍晋三事務所にお支払いしています」と答えた。● 昨年6月1日、岐阜県美濃加茂市の「地方創生キックオフ大会」では、〈内閣総理大臣夫人 安倍昭恵〉の肩書きで〈いま、思うこと〉を演題に語り、「講演料は5万円、交通費は実費で2万5980円」(企画課)が支払われた。
● 昨年11月15日、滋賀県東近江市商工会の講演では講演料3万円+交通費が昭恵夫人に支払われた。
● 昨年12月9日に福岡県那珂川町の講演では講演料2万円+交通費5万6690円が、昭恵夫人側に支払われた。
講演数からいくと、ほんの僅かな例外なのかもしれません。
でも「一切もらっていない」訳でもない、ということが分かりました。
参考にさせていただいたこの記事には
昭恵夫人は自身のフェイスブックに〈講演の後、多可町産山田錦を使った各蔵のお酒を試飲させて頂きました〉と書き込んでいる。
「私」について語って講演料をもらった上に、大好きなお酒まで飲めたのだから、きっと充実した一日だったことだろう。いずれも講演料はお小遣い程度かもしれない。だが金額の大小にかかわらず、総理夫人の肩書きで対価を受け取っているのであれば、それは「私人」の活動といえるのだろうか。
とも書かれていて、もっともな意見だなぁと思いました。
ただ、「名誉職に就任することだけに対して、役員報酬的なものは発生していないのではないかな?」という結論に至りました。
少し感じた疑問をきっかけにいろんなことを学ぶことが出来ました。
国会答弁に使われている時間、疑惑や問題はうやむやにしてはいけませんが、もういい加減解決してほしいところです。