ワンピース、スーパー歌舞伎、市川猿之助

 スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」で主演を務める

市川猿之助さんが骨折により降板することになり、

代役として尾上右近さんが主役であるルフィ役に抜擢されました。

1日で役の変更だなんて・・・

素人には想像できない世界です。

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座長で主役の市川猿之助が骨折で降板!原因は?

 2017年10月6日に初日を迎えたばかりのスーパー歌舞伎Ⅱ

事故が起きてしまいましたね。

主役の市川猿之助さんが公演中のアクシデントにより

骨折してしまい、舞台を降板されました。

まだ初日が開いて4日目だというのに。

11月下旬まで公演があるのに。

 

 

 原因というか、どういう状況だったのか調べてみると

カーテンコールの途中、花道にあるセリ(※)から奈落へ引っ込む途中で

衣装が装置に絡まってしまったようです。

(※舞台上にある穴。昇降装置が付いていて登場・退場などの演出に使う穴。ちなみに”奈落の底”の奈落はこれが語源)

 左腕が開放骨折しているそうで、現在では復帰時期はわからないそうです。

骨が外に飛び出ている・・だなんて、かなりの重傷ですよね。

 

 

猿之助さんは歌舞伎だけでなく、

テレビドラマやバラエティー番組(主にクイズ系)でも活躍されている方なので、復帰が未定とは・・とても心配です。

代役でルフィ役を務める尾上右近とは?

 急遽代役を務めることになられた尾上右近さんとは、

どんな方なのでしょう?

にだいめ おのえ うこん
二代目 尾上 右近
屋号 音羽屋
定紋 重ね扇に抱き柏 Kasane Ōgi ni Daki Gashiwa inverted 3.png
生年月日 1992年5月28日(25歳)
本名 岡村研佑(おかむらけんすけ)
出身地 東京都
祖父 六代目延寿太夫、鶴田浩二
七代目延寿太夫
事務所 ケイファクトリー

 昭和の名優、鶴田浩二さんが母方のおじい様に当たられるようです。

そして、父方のおじい様が六代目尾上菊五郎ということで

歌舞伎の血は受け継いでいらっしゃいますが、

いわゆる「歌舞伎俳優二世タレント」ということではないですね。

 事務所の先輩に市川猿之助さんがいらっしゃる関係なのか、

タレント活動もなさっていて、

「ミラクル9」などのクイズ番組にも出演されている多彩な方です。

12月には朗読劇に出演、松井玲奈さんと共演されます。

1日の猶予で代役が務まる?

 突然の事故、しかも主役の降板ですから、

出演者だけでなく運営側の松竹も対応をどうするか迷ったことと

思います。

しかし、毎月どこかの劇場で公演を打っていることが多い

歌舞伎俳優さんは時々舞台に立たれる役者さん達より

代役対応に慣れているんですね。

(ここまで大きくとりあげられる降板・代役騒動は少ないと思いますが)

 

 「スーパー歌舞伎Ⅱ・ワンピース」の公演は

同時期に通常公演とは別に「特別マチネ」版も上演されていて、

尾上右近さんは特別マチネ「麦わらの挑戦」でルフィ役とハンコック役を務めていたんです。

スーパー歌舞伎、配役、キャスト

なので役作りは万全、後はセリフ覚えのみ!ということで

白羽の矢が立ったのではないかと思います。

おそらくですが、万が一に備えプロンプ(※)の対応策も

打ってあると思います。

(※セリフを忘れた俳優に陰からそっと教え伝えることを言います)

とはいえ、1日も公演中止にすることなく、代役発表はスゴイ!

 尾上右近さんのプレッシャーは計り知れないです。

 

(しかしながら観客の期待は市川猿之助さんにもあるようで、

代役対応の公演に対して差額返金対応を行うそうです。

こういうピンチの時って予想以上に良い公演になることが

多いので、できれば返金対応などせずに、若い歌舞伎俳優さんを

応援してあげたら良いのになぁと思ってしまいました。)

返金対応についてのご案内はオフィシャルサイトに掲載されていました。

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過去の代役騒動

 時々、歌舞伎観劇に行くのですが、

これまでも突然の降板、代役で対応・・という事態を体験したことがあります。

● スーパー歌舞伎・新三国志Ⅲ完結編【市川猿之助(現:市川猿翁)】

 2004年3月、まだ今ほど歌舞伎の認知度がなかった頃、

 スーパー歌舞伎というジャンルを打ち立てられた市川猿之助さん(現:猿翁さん)が

 急病で倒れられ(脳梗塞と報道されていましたが、後にパーキンソン病とも)

 代わりに弟子の市川段治郎さん(現:市川月乃助さん)が主役の謳凌を務められました。

 月乃助さんはこれを機に一気に主役格になられたことを覚えています。

● 吉例顔見世興行【市川海老蔵】

 暴行事件という形で騒動になり、亡くなられた小林麻央さんが頭を下げたことで

 ここ数年でも取り上げられていましたが、

 この時も降板・代役騒動になりました。

 顔見世興行も昼夜、違う演目が行われるため、

 代役を片岡仁左衛門さんや片岡愛之助さん(藤原紀香さんのご主人ですね)が

 務められました。

 さらに海老蔵さんは怪我の症状云々というより自粛という姿勢だったため、

 翌月の公演は中止となり、代わりに坂東玉三郎さんが代替公演をされたという

 出来事がありました。

尾田栄一郎先生がコメント発表

 題材が「ONE PIECE(ワンピース)」ということもありますし、

スーパー歌舞伎というのは、現代劇のように

セリフにも動きにもスピード感があるので、

普段歌舞伎を観ない人にもとても好評な舞台で

今回の公演は若干配役を変えて、二度目の公演なのだそうです。

(前回公演の映像を見つけたので、ご参考までにどうぞ)

 

二度に渡り公演されているということは

原作を描かれている漫画家・尾田栄一郎先生も

ご自身の作品が歌舞伎として上演されることになり喜んでいらっしゃったのでしょう。

 今回の事故・降板・代役という一連の流れを受け、コメントを発表されていました。

コメントを読んで感動しました!

きっと出演陣も「こんな時だからこそ!」と結束力を強めていることと思います。

私も都合つけて劇場に足を運んでみようと思います。